農業者年金を普及推進 山梨県農業会議

 農家の老後を支える農業者年金制度。山梨県農業会議はJA山梨中央会と連携を取り合いながら、制度の普及に向けて研修会などを開催している。

農業委員会事務局やJA職員、農業委員会の加入推進部長それぞれを対象とした研修会              

 農業会議では、毎年、農業委員会事務局やJA職員、農業委員会の加入推進部長それぞれを対象とした研修会を開催している。農業者年金基金の職員も招き、支払った保険料の全額が社会保険料控除の対象になることや、政策支援加入による保険料の国庫補助があることなど、農業者年金制度の概要やメリットの説明に力を入れる。

研修会で使う独自の資料

 また、積み立てや受給にトラブルが起こらないよう、細かな事務手続きなどについても詳しく説明している。
 参加者からは「農業者年金には他の年金では受けられない特典が詰まっていることがわかった」「豊かな老後生活を送ってもらうには、若いうちから加入してもらう必要がある」などの感想が聞かれた。
 研修では農業者年金基金や全国農業会議所が作成した資料に加え、県内で独自に作成したリーフレットを活用する。
 制度の概要が分かりやすくコンパクトに書いてあり、県内でも普及推進の資料として積極的に活用されるなど好評を得ている。

 農業会議とJA中央会では、2018年度から2020年にかけて新規加入者50人(うち20歳~39歳が23人、女性農業者14人)を目標として掲げている。農業委員会や市町村JAなどの協力もあり、若い加入者が増えている。中には夫婦共に6万7千円の保険料最高額で加入し、サラリーマン以上の老後対策に取り組む農業者も存在する。
 加えて両者は共同で、青色申告制度の研修会を開催している。保険料の国庫補助を受けるためには青色申告を行っている必要があることから、申告手続きから帳簿の作り方まで説明する。
 このほか、個別の相談活動も行っている。社会保険料控除関係の相談を受けた時には、農業者年金制度のメリットを解説して、加入を促している。