楽しい雰囲気で誰もが発言 若手農業者と全員参加型の意見交換 佐賀・みやき町農業委員会

楽しい雰囲気で自由に意見を出し合う

 みやき町農業委員会(原一夫会長)では、このほど「若手農業者との意見交換会」を開いた。「MFAメソッド(合意形成型会議)」を活用したもので、(1)楽しい(2)聴き合う(3)時間を守る“全員参加型の話し合い”に、JA青年部と農業委員の24人が参加した。

 意見交換会の冒頭、原会長は「会議といえば一部の人しか意見を言わなかったり、声が大きい人の意見が通ったりすることがあるが、今回は参加された皆さんが意見を言えるやり方をしたい」とあいさつ。
 会場には、耕作者の年齢別に色分けした地図や合意形成型の話し合いのルールなどを掲示。また、カラフルなテーブルクロスや茶菓子も準備した。
 参加者を6人×4班に分け、「担い手を増やしていく対策」「こうしていきたい未来のみやき町の農業の姿」の二つを話し合った。進行役のファシリテーターは、同委員会の田中嘉樹事務局長が務めた。
 冒頭、グループの進行係や発表係などを決め、それぞれが自己紹介。名前や住んでいる地域だけでなく、最近の出来事でうれしかったことなどを交えながら自己紹介。この自己紹介で、会場は「(1)楽しい」雰囲気となり、全員が発言しやすくなった。
 その後、テーマに沿って日頃の思いや、たくさんのアイデアを黄色い付箋紙に書いて出し合い、意見を「(2)聴き合う」。
 「こういう意見もあるよな」と思いついたら、ピンクの付箋紙で意見を付け足す。この「付け足す」ことが柔軟なアイデアを引き出す重要な役割を果たす。ファシリテーターは「どんどんピンクの付箋紙を付けて、意見をバージョンアップしていってください」と促しつつ、「(3)時間を守る」ために随時時間を確認しながら進行した。皆で話し合い、似たような意見を枠囲みしながら意見を集約。集約した意見を三つに絞り込み、タイトルを付けてグループの意見としてまとめた。
 最後にそれを各グループから発表。「もうかる農業の実現のため、農地集積・集約化による労働力の省力化、コスト低減」「担い手を支援する仕組みづくり」「町特産農産物のPRがもっと必要」「女性農業者などの活躍の場となる町営の農産物直売所の開設」など、参加者全員の声が反映された意見や要望が出された。
 参加者からは「和気あいあいとして、発言しやすかった」「決められた時間内でたくさん意見が出て良かった」と好評だった。
 この「MFAメソッド」は、県と農業会議による「スキルマスター研修会」で学んだ座談会の形式。人・農地プランの実質化に向けて、昨年末から農業委員や職員向けに行われた研修で、県内の他市町でも続々と活用する例が出ている。