2019年産米作付け意向 需給安定に不安、生産の再考を

 農水省が7月30日に公表した6月末時点の2019年産米の作付け意向は、前回調査の4月末時点からほぼ変動がなかった。さらに、飼料用米、加工用米の作付けを減らす意向の県は前回調査より増加しており、2019年産米の需給の安定に不安を感じさせる結果となった。
 2019年産の主食用米の生産量は、需要減のトレンドに加えて人口減少も加味され、718万トンから726万トンが適正と見通されている。最大で昨年より15万トンの引き締めが必要な計算だが、現状では作付面積ベースで前年産実績の138万6千ヘクタールから微減の見通しとなっているという。
 行政からの生産数量目標の配分がなくなって初年度の昨年を振り返ってみると、主食用米の作付けが前年産に比べ1.6万ヘクタール増加した。そのような中、一部地域で発生した不作のため全国の作況が99となり、生産量は偶然に733万トンと国の生産見通し735万トンをわずかに下回った。
 今年は梅雨が長く日照不足が懸念されたが、7月下旬からは一転して猛暑が続いている。米の収量は7月下旬からの日照量が重要と言われており、大きな影響はなさそうだ。また、品種改良や農薬などの技術が進んだため、全く同じ気象条件でも1993年に記録した大凶作ほどには至らないといわれている。
 産地個々の状況を見ると、複雑な事情も垣間見える。昨年不作だった産地は実需側からの需要に応えきれなかったため、増産の意向も強いという。また、昨年過剰作付けした産地の銘柄も含め米価が高止まりしていることから、主食用米の作付け意向も強気なところが多い。
 同省は、生産調整の各種申請期日を収穫が始まっている9月2日まで延長する異例の措置を講じた。備蓄米も8月末まで入札を延長するという。米価の安定に向けて後がないところまで来ている。生産の再考を期待したい。