列島最前線 資源循環し利益生み出すバイオマス循環システム 栃木・茂木町 美土里館

「天然物のみを使い90日以上かけて熟成させている」と話す永嶋係長           

 栃木県茂木町がバイオマス循環システムを構築している。牛ふんを核に、生ごみ、落ち葉、おがくず、もみがらを有機物リサイクルセンター「美土里館」で混ぜ合わせ堆肥を製造。町内の良質で健康な土づくりに貢献している。資源が循環し、利益も生み出している。


 同館の完成は2003年。1999年に「家畜排せつ物法」が制定され、排せつ物の適正な処理が義務付けられたことがきっかけだ。当時、町内の酪農家は15軒。最低2千万円かかる処理施設を小規模農家が建てるのは難しく、町が立ち上がった。現在、年間約3200トンの牛ふんを回収する。
 施設の年間処理量は約5千トンで、約1500トンの堆肥を作っている。主原料は牛ふんの他に生ごみを約500トン。副資材として、間伐材などを粉砕したおがくず200トン、住民が収集した落ち葉250トン、もみがら250トンを入れている。
 落ち葉を入れるのは全国的にも珍しい。冬場に農家40軒が集めた落ち葉を1袋400円で引き取っている。1袋15キロ以上が条件だ。山をきれいに保ち、農家の冬の収入にもつながっている。
 発酵にも重要な役割を果たす。同町では市販されている発酵菌は入れない。落ち葉につく天然の放線菌や糸状菌の力を使って発酵している。
 おがくずの一部として入れる竹も発酵を助ける。乳酸菌を多く含み、菌の働きを活性化させるのだ。発酵が高温となるため、臭いの原因菌を殺し、消臭にも大きく貢献している。
 その他の原材料も、処理に困るものを有効活用。燃やすと苦情が出やすいもみがらは、予約制で町が無料で回収。生ごみは市街地の1800戸に20リットルの専用袋を購入してもらい、週2回回収。燃えるごみの削減につながった。