イチゴに効率よくCO2局所施用 静岡県農林技術研究所

 静岡県農林技術研究所は、イチゴの群落内に効率よく二酸化炭素(CO2)を施用する局所施用技術を開発した。生ガスを、小型換気扇で空気と一緒に供給するもの。慣行の燃焼式に比べ、CO2施用量を38%削減でき、糖度も2~3月には最大で1~2度高かった。

イチゴの高設栽培棚に設置したCO2局所施用装置                    


 静岡県のイチゴは、JA共販面積の55%が高設栽培。土壌からのCO2供給が少ないため、灯油燃焼式CO2発生機の導入が進んでいる。早朝にいったん1500ppm程度まで高め、その後は側窓が開いていても、400ppmを維持するよう施用している。
 静岡県は日射量が多いため春からハウスの窓を開けることが多く、CO2の施用ロスが発生する。燃焼式では室内温度が上昇するため、換気によるロスがより多くなる。
 同研究所が開発した局所施用技術は、小さな穴が空いたビニールダクトをイチゴの群落内に通し、ダクトの端の方とガスボンベをチューブでつないで直接生ガスを引き込み、家庭用の小型換気扇で空気と一緒に供給するもの。
 早朝に30分ほど施用してハウス全体を800ppm(群落内は1600ppm)まで高め、その後は日射量に応じて500ppm程度を維持する(外気は400ppm)。日射量が多いと光合成が高まるので、CO2を多く施用する。
 ハウス全体に施用する灯油燃焼式と比較した試験では、日中(午前11時~午後3時)のCO2濃度は、燃焼式では400ppmを下回り、無施用とほぼ同じだったのに対して、生ガスの局所施用方式では群落内はほぼ450~500ppmで推移。植物体の上40センチの場所でも、400~430ppmだった。それでもCO2の施用量は、燃焼式より38%少なかった。
 収量は燃焼式と同じ(無施用より17%多い)だったが、違いが出たのが糖度。2~3月には無施用より1~2度高かった。