開水路の給水自動化 ゲートをスマホ操作、省力化に 栃木のIT企業ぶらんこが開発

水位センサーと給水ゲートをチェックする五月女さん(右)と永井社長。給水ゲートのバーが降りてホースをふさぐ           

 全国の農業用水路のうち約3割はパイプライン化されているといわれているが、いまだに多くの地域では開水路が中心だ。その開水路の水口にある塩化ビニル管(塩ビ管)にホースをつなげ、水の出し止めをスマートフォンで遠隔操作できる自動給水ゲートが開発された。水稲農家にとって多くの時間を費やす水管理の省力化につながることが期待される。


 この技術は、ITベンチャー企業の(株)ぶらんこ(栃木県)が開発・販売している水田の水位センサー「farmo(ふぁーも)」と自動給水ゲート、スマートフォンをインターネットでつなげたもの。水を足したい場合は「開」、止めたい場合は「閉」をスマートフォンの画面上で押せば、どこにいても給水ゲートが水を出し止めする仕組みだ。現在、同社は全国約60カ所で給水ゲートの試験を実施しており、来春から販売する予定だ。
 栃木県大田原市で水稲約30ヘクタールを栽培する五月女文哉さん(47)は昨年から「farmo」を100枚の田のうち16枚に使っており、今年、自動給水ゲートを試験モニターとして1台導入した。
 「farmo」のセンサーが測定した水位をスマートフォンアプリで確認できるため、五月女さんは水の出し止めが必要なときだけ現地に赴いている。「まず朝アプリを見るようになった。見回りも今まで朝夕合計5時間かかっていたが、3~4時間に減った」と効果を実感している。値も正確で、水位は1ミリ単位で表示される。
 これに加えゲートを導入すれば給水止水もスマートフォンの画面上でできる。手作業では、車を止めて畔を歩くなど1カ所当たりどうしても数分はかかる場所が多かった。五月女さんは「手間がだいぶ省けた。販売が始まれば同じような条件の場所には順次設置したい」と話している。