気象情報の活用が本格化 JA全農 標高なども考慮したデータ 「アピネス/アグリインフォ」

1キロ四方メッシュの気象情報

梅雨のシーズンがやってきた。近年、突発的な豪雨や梅雨が明けた夏の高温など「異常気象」が増えている。産地の北上や、作物の品質低下、家畜の不調など農業現場への影響は大きい。そうした状況の中、通常の天気予報よりも詳細な情報がわかる1キロ四方メッシュの気象情報を農業に活用する動きが活発化している。生育予測や栽培管理支援に生かすシステムの開発も加速中だ。

1キロ四方メッシュの気象情報は、気象庁の地域気象観測システム(アメダス、20キロ四方)などのデータをもとに作る。標高などを考慮し、約1キロ四方単位のデータを計算で導き出すものだ。農研機構や民間企業などがそれぞれ特徴あるデータを作っている。
JA全農は農家向け情報サービス「アピネス/アグリインフォ」の中で、2016年5月から(株)ハレックスが開発した1キロ四方メッシュの気象情報を提供している。
三重県菰野町で水稲16ヘクタール、小麦13ヘクタールなどを生産する北岡孝太さん(32)は、圃場と最寄りのアメダス計測地点である20キロ離れた四日市市と天候が違うと感じていた。同システムを2016年から利用している。「通常の天気予報よりも圃場の天候を正確に示す。農薬散布後に雨が降らないか、草刈り時に風が強くならないかが分かって便利だ」と笑顔で話す。作業計画作成に役立っている。
アピネスで見られるのは、天気、気温、湿度、降水量、風向、風速、暑さ指数の6項目。1時間ごとに72時間先まで確認できる。圃場の登録は最大で10カ所だ。
過去5年の天気、降水量、平均風速・風向、気温、最高(最低)気温はグラフ化し、データのチェックが可能。積算気温も計算してくれ「冬季に作付けするキャベツやハクサイの収穫時期の見極めにも役立つかもしれない」(北岡さん)という。
高(低)温や降水量・風速などの警戒基準値を設定すれば、基準を超えた際にアラート機能によりメールで通知してくれる。霜の警戒情報や積算気温に達した際も同様だ。圃場や要素別に自由に設定できる他、各県の病害虫発生予察情報も受信できる。
システムを運営しているJA全農アグリ情報室の佐藤真由美室長は「普及が目標。営農に役立つことをアピールし、もっと多くの人に使ってもらいたい」と話す。登録者数は現在、約4800人。JA組合員は月額300円で利用できる。

写真=アピネスの気象情報を使っている北岡さん(左)