解散相次ぐ集落営農組織 危機打開へ統合・連合進む

 増加を続けてきた集落営農組織が、2017年をピークに減少に転じた。新規設立を上回るペースで解散が進んでいるためだ。解散の主な理由は、構成員の高齢化と収益の低下などによる経営の悪化。集落営農組織同士が合併してスケールメリットを追求する動きもあるが、山口県は県内各地に複数の集落営農法人を束ねる新たな連合体組織を設立し、各法人の経営改善と若い人材の確保を目指す。

 農水省の集落営農実態調査によると、2019年の総数は1万4949。新規設立が239あったが、解散・廃止が401(統合による解散が50)と設立を大きく上回り、差し引きで162(1.1%)減少した。
 解散・廃止で問題になるのが集落の農地利用だ。農地を所有者に返しても、高齢で機械も持っておらず、耕作放棄が懸念される。
 減少数が多い県では「解散は機械利用組織や実体のない任意組織では」(滋賀)、「経営所得安定対策の面積要件緩和で、組織の必要性がなくなったところもある」(秋田、大分)、「解散の大半は作業受託組織で公社が受け皿になっている」(鹿児島)など、現状では農地利用に大きな影響は出ていないとの見方が多い。熊本県は集落営農の合併を進めており、これまで13のメガファームが誕生。コスト削減などで成果を上げている。
 だが、調査結果を受けて実態を調べたという福岡県は「中には法人の解散事例もある」と危機感を募らせる。

 集落営農の法人化に力を入れる山口県が2016年から取り組んでいるのが、地域ごとの集落営農法人連合体の設立だ。
 同県は耕地面積に占める中山間地の割合が73%と高い。278ある集落営農法人の平均経営面積は約26ヘクタールで、20ヘクタール以下が半数を占める。合併のメリットが出にくいため、複数の法人やJAなどが出資して、共同事業を営む新たな組織を設立するもの。2022年までに24の連合体設立が目標で、現在12(参加集落営農法人76、経営面積合計2561ヘクタール)誕生している。
 狙いは各法人の経営改善と若い人材の確保。10アール当たりの法人収益は2010~2015年に26%下落。オペレーターも高齢化し、2012年の時点で60代以上が7割を占めた。そこで、各法人の農地を守る「集落機能」と、資材の共同購入や機械・オペレーターの広域利用など「連合体機能」でコスト削減、収益拡大を目指すものだ。