FRONT LINE 独自製法の干し柿が大好評 島根・松江市 まる福農園

 約1ヘクタールで約450本の西条柿を生産する島根県松江市のまる福農園(福岡博義代表、77)。独自の製法で発酵熟成させる干し柿は、県外からリピーター客が訪れるほどの人気商品になっている。「1本の木から100種類の加工品づくり」を目指し、新たな商品開発に挑戦し続けている。

 同農園の干し柿「百市のほし柿」は、収穫した西条柿を0度で冷蔵し均一に熟成させた後、柿の皮をはぎ、1週間ほどガラス張りの屋内で天日干しする。干すのは風通しのよい場所ではなく、あえて閉め切った場所に干すのが特徴だ。その後、さらに柿を藁(わら)の上で寝かせる。
 藁から発生するエチレンガスを利用して熟成度を高めることで、もともと糖度の高い柿がさらに深い味わいになるという。その後は柿の熟成の状態を見極めながら2~3週間程度天日干しする。
 糖度の高い柿を作るために、同農園では土づくりにもこだわっている。化学肥料を一切使わず、牛ふんや米ぬかなどを肥料に用いる。除草剤も一切使わない。消毒に頼らない土づくりをすることで木の病気を防ぎ微生物の力を借りて、柿の味を引き出している。

福岡代表は「百果物語」と題して、これまで手掛けた加工品を柿の木に見立てた図にしている          

 干し柿の数量に限りがあるため、ネット販売での全国配送は行っていない。同農園の直売所以外では地元の百貨店や大阪、九州などの限られた店舗でのみ販売されている。また、東京の千疋屋総本店に約15年間、贈答用のブランド商品として納めている。