【列島最前線】景観 くらし まるごと野外博物館に 岐阜・下呂市 馬瀬地方自然公園づくり委員会

 山深い山村に位置し、高齢化率が約4割に達する岐阜県下呂市の馬瀬地域。少子高齢化の進むこの地域に人が次々と引き寄せられている。馬瀬地方自然公園づくり委員会が取り組んだのは人々の暮らしや地域全体を公園と見立てるフランスの地方自然公園制度を参考にした地域づくり。住民と行政が一体となって、地域経済を活性化させている。

 同委員会は観光協会や地域内の各団体、住民有志や市の職員など25人の委員で構成。前身の組織から数え、活動は25年を超える。小池永司委員長(75)は「訪れた人に濃厚な体験をしてもらい、馬瀬のファンを作ることが大切。リピーターや関係人口を増やすことが地域の継続につながる」と話す。
 2014年、農村景観や日常の暮らしの文化をまるごと野外博物館と見立てる馬瀬里山ミュージアムを始めた。モデル集落と設定した西村地区では住民自らが自主運営組織「よらまいか隊」を結成。ウオーキングコースの設定や看板の設置、観光客のガイドを請け負う。農業体験案内料などの収入により「小さな経済」を形成し、集落の景観や農地の保全に必要な資金を確保している。2016年度には関係人口が地域人口の約2倍となる2千人を超えた。

写真説明=集落全体がミュージアムとなる西村地区