列島最前線 空き家活用し交流イベント 移住者呼び込む 岐阜・恵那市 奥矢作移住定住促進協議会

「結いの炭家はみんなの憩の場」と語る協議会の大島光利会長      

 人口減少や高齢化への対応は、全国の自治体で課題になっている。岐阜県恵那市の串原地区に本部を置く奥矢作移住定住促進協議会では、空き家を活用した交流イベントを開催し、移住者を呼び込んでいる。

 同協議会は、2011年3月に地区の高齢化・過疎化を解決するために設立された。外から人を呼び込むため、里山体験や田舎暮らし体験などさまざまな交流イベントを開催する。なかでも特徴的なのが「古民家リフォーム塾」だ。
 これは、田舎暮らしを志す人などを全国から募り、1泊2日の日程で地元の大工からリフォーム技術を教わるというもの。リフォームには、地区内にある空き家を活用している。
 作業を通じて、ボランティアで参加している地元住民などとも交流が生まれる。同じ釜の飯を食べることで、お互いに人となりを知ることもできる。年10回ほど開催される塾には何度も参加する人もいると言う。
 この塾をきっかけに、現在までに27世帯70人が空き家を利用して同地区へ移住している。

 恵那市串原地区は、面積の8割を山林が占める中山間地域。20年以上前から人口減少に伴い、老朽化した空き家が増えていた。
 協議会の会長を務める大島光利さん(74)は、こうした事態に早くから危機感を抱いていた。2007年頃に、自らが理事長を務めていたNPO法人で独自に空き家の調査をした。その結果、串原地区にある約300世帯のうち36戸が空き家になっていた。「いま動かなければ、近い将来、この地区は消滅してしまうと思った」と当時の心境を語る。
 そこで、空き家を地域活性化の資源として活用できないかと考え、現在のリフォーム塾の取り組みにつながった。地区の空き家率は現在、1~2%にまで下がったと言う。
 最初にみんなでリフォームした古民家は、結いの炭家(ゆいのすみか)と名付けられ、移住希望者の体験滞在所や地域住民の憩の場として活用されている。
 協議会では「みんなでやろまいか!」を合言葉に、移住者も分け隔て無く、地区のイベントやボランティア活動に参加するよう呼び掛けている。今年は既に、28世帯目の移住も決まっている。