列島最前線 夏の風物詩 全国から客 静岡・森町 トウモロコシ直売所

 静岡県森町は伝統的な茶の産地だが、町南部には水田が広がり、水稲・レタス・トウモロコシを連続して作付けする「水田3倍活用農法」で知られる。トウモロコシ生産農家の多くは自ら直売しており、5~8月には町内に30カ所以上の直売所が立ち並ぶ。同町の夏の風物詩で、全国から客が訪れる。

ピーク時には午前6時の開店前に200人以上が並ぶ

 「この通りにトウモロコシ直売所をもっと増やせないか」。遠州森鈴木農園(株)の鈴木弥社長(43)は、同社をはじめ十数カ所の直売所が集中する県道沿いにもっと多くの直売所が並べば、相乗効果でもっと集客が見込めると提案する。
 鈴木農園は1986年(昭和61)、町で最初に直売を始めた。理由は「市場出荷に向かないから」。収穫から店頭に並ぶまでには中1日かかるが、トウモロコシは鮮度落ちが早いため傷んでクレームが入ることもあった。それならと、会長の鈴木晃さん(72)が県道沿いで売り始めた。
 はじめはあまり売れなかったが、徐々に客がつきはじめた。12年前に、現在の場所にレタスの出荷作業場を兼ねた直売所を建設。広い駐車場も整備すると、客が押し寄せるようになった。直売の期間は、町内で最長の5月下旬~8月上旬。午前4時30分から収穫を始め、6時に開店。昼前には売り切れる。
 毎年、直売が始まるとテレビが報道するため、東海全域をはじめ関東、関西、北陸からも客が来る。休日には開店前から200人以上が列を成し、700~800人が訪れるという。価格は5~8本入り袋で1200円。ピーク時には1人5袋までに制限するほどだ。ネット販売にも全国から注文が入るため、作付面積15ヘクタールの全量を直売する。