列島最前線 ハワイアンズトマトで農業参入 茨城・北茨城市 北茨城ファーム

 福島県いわき市でスパリゾートハワイアンズを運営する常磐興産(株)の子会社(株)北茨城ファーム(茨城県北茨城市)は、10月29日に新商品「ハワイアンズトマト」を発表し、本格的な農業ビジネスに乗り出した。

「後味がフルーティーで自然な甘み。ぜひ試してほしい」とPRするフラガールのラウレア美咲さん(右)と箕川葉月さん                       

 発表会当日はフラガール(正式名称:スパリゾートハワイアンズ・ダンシングチーム)からラウレア美咲さんと箕川葉月さんが同社を訪れ、初収穫を行った。
 ハワイアンズトマト(商標登録出願中)は8~10.5度の高糖度ミニトマト。色つや、サイズ、ヘタの張り具合など見た目にも美しい。試食した報道関係者からも「甘くておいしい」との声があがった。
 (株)メディカル青果物研究所での調査によると、糖度だけでなく、抗酸化力やビタミンC含有量も一般的なミニトマトより優れており、糖度に加えて健康効果もアピールしたいとのこと。
 現在は試験栽培用の500平方メートルほどのハウスが1棟のみだが、近く1.7ヘクタールのハウスを増設し、本格稼働後4年で年間300トンの出荷を目指している。
 出荷先は首都圏を想定しプレミアム価格帯でのブランディングを目指す。生産物はミニトマトのみ。核家族化が進み、大玉より小玉が好まれるという市場動向を反映させたものだ。
 同社は2019年4月1日に農地所有適格法人の要件を満たした形で設立された。親会社の常磐興産が福島県にあることから、農地所有適格法人の要件を満たすための役員構成などについて福島県農業会議から助言と協力を受けた。そして、かつて常磐興産が炭鉱業を営んでいた北茨城市・中郷鉱業所跡地を活用して栽培施設を設置した。
 同社の鷺隆一代表取締役(58)は「消費者にとって分かりやすい商品名を考えた。黒いダイヤといわれた石炭から、赤いダイヤ・ミニトマトへの転換に挑戦。新たな経営の柱になれば」と話す。
 常磐興産は東日本大震災以降、経営の新たな柱となる新事業を模索していた。農業ビジネスに参入した理由は将来性。観光業と違って少子化などの影響を受けにくく、安定した事業展開が可能と判断した。
 事業が軌道に乗れば、本社を置く福島県浜通り地方の復興のための新しいビジネスモデルとして普及させたい考えだ。