MY STYLE 目指すはサツマイモの世界企業 生果中心に売り上げ11億円 宮崎・串間市 池田誠さん

 法人化後、わずか7年で売り上げを5千万円から今季11億円超を見据えるまでに急成長させた農業経営者が注目されている。宮崎県串間市で生果用のサツマイモを生産・加工・販売する(株)くしまアオイファームの池田誠社長(49)だ。独自の栽培技術で、全量を卸やスーパーなどに直販。うち35%は輸出する。目指すは「サツマイモのゼスプリ」だ。

「サツマイモの世界企業を目指す」と話す池田さん           

 同社は栽培面積200ヘクタール(自社30ヘクタール、契約農家170ヘクタール)で、宮崎紅、紅はるかなど食感、色合いなどが違う5品種を栽培。年間約4千トンを卸やスーパー、デパートなどに販売する。
 JA出荷だったが、池田さんは生産者価格と店頭価格の差に納得がいかず、2010年から直販を始めた。国内は4~5倍、輸出先とは10倍以上の開きがあった。
 電話とスーパーなどを回る「どぶ板営業」を展開。2012年からは輸出も始めた。現在、出荷量の35%を香港など東南アジアを中心に輸出。日本全体の輸出量の半数以上を同社が占める。 
 法人化は2013年。全量を直販に切り替えて「退路を断ち」、市場調査を基に生果に向く品種構成や栽培方法を工夫した。9割以上を生果で出すが、冷凍の焼きイモやフライドポテトなどの加工も手掛ける。
 主力商品の「おやついも」は、デパートで客から意見を聞いて開発した。女性でも食べやすい小ぶりのものを5~12本(500グラム)袋詰めしたもの。炊飯器や電子レンジで調理する東南アジアでも好評で、輸出を後押しした。
 小ぶりのサツマイモを生産するため、畝幅を通常の半分にして苗は倍の本数を植える「小畝密植栽培法」を考案。輸出では輸送中のカビや腐敗などが出るため、結露を防ぐ鮮度保持フィルムの開発に協力。現地での廃棄率を、3割から5%に下げることができた。