タブレットを導入し利用調査を効率化 宮崎・木城町農業委員会
木城町農業委員会(久保一美会長、農業委員7人、農地利用最適化推進委員7人)は、毎年実施している農地利用状況調査でタブレット端末を活用。農業委員会活動の効率化を進めている。
木城町は宮崎県のほぼ中央に位置し、町の中心部を小丸川が流れる自然豊かな町。畜産をはじめ、水稲や大根、甘藷などの生産が盛んだ。
同町農業委員会は、2009年の農地法改正で農地の利用状況調査が法定化される前から農地を守るため町内の全農地を調べていた。調査結果を基に遊休農地や無断転用の発生防止・解消に取り組んできた。
22年度末には、農業委員・推進委員の活動を支援するため、タブレット端末7台を導入。調査活動の効率化に踏み出した。
23、24年度には委員のタブレット端末の活発な利用を推進するため、研修会を実施。基本的な操作だけでなく、現地確認アプリによる農地利用状況調査の実施方法や、委員が把握した意向情報などが登録でき関係者も共有できるワンデスクシステムによる「農地利用最適化活動記録」への入力などが学べるようにしている。
研修では県農業会議職員を講師に操作方法などを学んでいる。操作に戸惑う委員には、日常的に個別にアドバイスするなどの支援を続けている。
同町農業委員会は研修会を進めつつ、昨年から今年にかけてタブレット端末を利用し利用状況調査を実施してきた。
24年6~7月にタブレット端末を利用し調査を行った農業委員の黒木清澄さん(68)は、「自分は中立委員で土地勘もなく、タブレットを使う前までは調査対象の農地の場所が分からず苦労した」という。そのため調査に多くの時間がかかっていたが、「タブレットを使うようになってからは、自分の位置を確認することができ、対象農地が明確に分かるので、以前と比べ大幅に時間短縮ができ助かっている」と作業の効率化が進んだ実感について話した。
一方、従来の地図を使って農地利用状況調査を行う委員もいることから、農業委員会事務局では、両方のデータを適切に処理し活用できるよう、タブレットから入力されたデータを町独自の調査様式に統合するツールを作り、整理するなど工夫している。
今後は、操作研修を重ね、タブレット端末を利用する委員を増やすとともに、非農地判断時などにも積極的に活用していく予定だ。