将来考え集落で話し合い 新潟・村上市農業委員会

 村上市舘腰地区では、村上市農業委員会(石山章会長)と市が連携して地域農業の将来を考えようと、集落ごとに農業者が話し合う会合を継続的に開催している。昨年11月から始めて今年6月末までに8集落で延べ20回開催した。地区担当の佐藤健吉農業委員、船山寛農業委員、中山栄農地利用最適化推進委員が進行役や説明者、助言者となって運営している。

 同委員会では同地区をモデル地区に昨年8月、地区の農業者を対象に「営農状況・意向調査」を行った。集計結果を見ると「受け手に限界感があり、将来貸したくても受け手がいないのではないか」という課題が浮き彫りとなった。
 アンケート結果をもとに、11月から始めた会合の初回は「舘腰地区の農業を考える○○集落の集い」と題し、農地利用現況図を見ながらざっくばらんに意見交換を行った。
 前向きな意見、否定的な意見さまざまあったが、小区画の水田が限界感の一つの要因となっていることがわかった。
 「基盤整備が必要」という意見が出された集落では、「基盤整備を行うか行わないかを判断する情報がほしい」という声も聞かれたことから、2回目の会合には県、JA、土地改良区が出席して、地権者負担ゼロで関心を集める「農地中間管理機構関連農地整備事業」を説明。同事業に基づく基盤整備の内容や農地中間管理事業の支援事業などを説明した。
 4月に説明会を開いた集落では、自治会、農家組合役員などで推進委員会をつくり、基盤整備の実現に向けて動き始めている。

 下新保集落では6月25日に説明会を開き、約30人の農業者が出席。佐藤委員があいさつで話し合いの趣旨を説明、船山委員が進行して農業者の声を引き出し、中山委員が先行する集落の様子を伝えるといったように役割分担をしながら話し合いを進めた。

 舘腰地区の取り組みを踏まえ、他地区でも同様の話し合いを始めようとする集落も出始めてきた。営農状況・意向調査を行ってから間もなく1年がたつ同地区の取り組みの波及効果が出てきた。

写真=地図を見ながら話し合った初回の会合