ストップ鳥獣害(178) イノシシ対策に市独自「地域捕獲団体」 茨城・笠間市

農産物のイノシシ被害が深刻化する茨城県の中山間地域・笠間市では、箱わなを使って捕獲する「地域捕獲団体」の取り組みが実績を上げている。
同市では2014年5月に「鳥獣被害対策実施隊」を組織、猟友会会員など25人体制(2019年現在)でイノシシなどの捕獲活動を市内全域で進めてきた。しかし、イノシシの生息域が年々拡大し農作物被害が増え続けたため、実施隊の活動に加え2017年12月から市独自事業で地域捕獲団体の活動を開始した。
その結果、2018年度のイノシシ捕獲頭数は876頭(うち地域捕獲団体は534頭)となり、前年度の捕獲頭数410頭から2倍以上の成果を上げた。
イノシシの農業被害額が1618万円(2014年度)から4013万円(2017年度)へと急増する中で、2018年度の農業被害額は大きく減少する見込みだ。
市では住民に呼びかけ、捕獲の許可者を含む5人以上の地域住民で箱わな捕獲を行う地域捕獲団体を組織。活動費として毎年10万円を補助するほか、市が箱わなの貸し出しも行っている。おおむね行政区単位で組織される地域捕獲団体は順調に増え、24日現在43団体が結成。市内の中山間地域の大半をカバーできる仕組みとなった。地域ぐるみの活動のため団体活動への信頼は厚く、「イノシシ対策の住民からの問い合わせが減少している」と同市農政課は評価する。
加えて同市は、イノシシ捕獲の支援策としてわな猟免許取得補助や1頭当たり5千円の捕獲補助金を実施。本年度から、捕獲場所での埋設、ゴミ処理場での焼却などのイノシシ処分に5千円の補助金を追加して実施する。従来の電気柵や防護柵の購入費助成も継続実施するなど、手厚い支援を行っている。
活動開始から1年半。イノシシ捕獲で成果を上げる先進的な地域捕獲団体への期待が高まっている。

写真=西部地区有害鳥獣捕獲実施隊の9班が参加した箱わな勉強会。賢いイノシシとの知恵比べで、ワイヤーの張り方や餌の置き方で捕獲に大きな差が出る