ストップ鳥獣害(190) 地区全戸協力し防護柵設置 宮城・名取市 高舘第14区地区

補強した柵に、イノシシに破られた跡が残る(左=川村直文さん、右=川村孝男さん)             

 イノシシに防護柵を破られる被害が絶えない。宮城県名取市の高舘第14区地区はワイヤメッシュの広域柵を設置するも、破られては修繕することを繰り返して試行錯誤。捕獲にも力を注ぎ、懸命に被害を防いでいる。
 2015年に非農家も含めた地区の全戸、36戸が協力して、隣接する同第13区地区と合わせて全長19キロの防護柵を設置した。20ヘクタール以上の農地を囲む。
 川村直文さん(70)は独学で対策を研究し、地域の獣害対策の先頭に立つ。住民には「自分には関係ない」と考える人もいたが、獣害は地域全体の問題として説得し、全戸で休みを合わせて設置作業を行った。
 しかし、柵の設置から2カ月後に「イノシシが畑に入っている」との報告が寄せられた。柵の弱い部分を狙って地面から押し上げ、穴を開けて侵入するようだ。川村さんは破られた箇所を急いで修繕。加えて、接地部分に竹をくくり付けて強化するなど工夫を凝らしたが、これも押し破られた。
 川村さんは途方に暮れる一方、「イノシシに負けてたまるか!」との思いで奮起。柵で防ぎきれないならイノシシの数を減らそうと罠免許を取得し、捕獲の強化に乗り出した。
 川村さんが隊員を務める同市鳥獣被害対策実施隊が体重100キロを超える「大将のような」大きな雄を捕まえてからは、柵破りも減ってきたという。川村さんは「攻撃は最大の防御」と胸を張る。