ストップ鳥獣害(195) 通電「のれん」が水路侵入防ぐ 山梨県総合農業技術センター・末松電子製作所

のれん型のため枝葉が流れてきても引っかからず、水流を妨げない                      

 集落単位で電気柵を張る際、水路対策は欠かせない。集落全体を囲んでも、水路との交差点を完全に封鎖できていないと動物に付け入る隙を与えてしまう。山梨県総合農業技術センターでは、通電部分を「のれん型」にして水路の上からつり下げる新技術を考案。中型~大型動物の侵入防止に高い効果を発揮する。
 のれん部分にはステンレス製網戸、骨組みにはビニールハウスに使うパイプとパッカーを採用した。網戸を数枚重ね合わせ、柵とつなげる電線と一緒に固定。のれん下部には金属板に穴を開けたパンチングメタルを結束バンドでくくりつける。動物の剛毛は電気を通しづらいため、重みを持たせてくぐる時に皮膚に触れさせる仕組みだ。
 幅が広い水路やU字形の小型水路まで、水路に合わせて形状を調節できる。下端は水面から10センチほどの高さになるよう設置するが、万が一増水して水につかると漏電し、連結している柵の効果も弱まるため要注意。柵とのれんの間に漏電防止装置を挟めば全体の電圧低下を防げる。
 中山間集落の水路を使った実証実験では、シカやサル、ハクビシン、タヌキなど幅広い動物で、100日当たりの通過数を1頭以内に抑えられた。侵入防止効果は97%以上だ。自動撮影カメラには、感電した動物が学習し、のれんに触れるのを避ける様子も映っていたという。