求む加工用トマト 健康ブームで需要増 作付面積下げ止まり感も

 健康ブームを背景に、トマト加工品の需要が増えている。けん引しているのがジュース。2015年に食品の機能性表示が始まると急増した。中でも人気が高いのが、国産原料によるストレートジュースだ。高齢化などで作付面積は減少しているが、新たな産地化などで下げ止まりの様相も見えてきた。収穫作業の外部委託による軽労化や、町営加工場によるブランド化で生産意欲を高めるなど、産地の取り組みも進む。
 2017年度のトマト加工品生産量は35万6千トンで、この5年間に15%増えた。中でもジュース(JAS格付け)は、1.8倍に急増した。背景にあるのが食品の機能性表示だ。トマトに含まれるリコピンの高い抗酸化作用が注目され、各社が相次いで高血圧や血中コレステロールへの効果を表示した製品を投入している。
 特に人気が高いのが、濃縮還元しない国産原料によるストレートジュース。原料が限られるため、夏場の収穫時期に合わせた期間・数量限定で販売している。
 一方、端境期の夏場につくれる貴重な野菜である加工用トマトの作付面積は2012年産の480ヘクタールから2017年産は422ヘクタールへと1割以上減少している。高齢化に加え、露地栽培で7~8月に手詰みする収穫作業のきつさが原因として指摘される。だが、2016年産とはほぼ同じで、下げ止まりも感じられる。
 飲料メーカーは国産原料の確保に必死で、全国トマト工業会は年間約1億円の予算で産地の機械導入などを支援。生協と組んだり、社員研修で収穫作業を恒例化しているメーカーもある。昨年は大手メーカーが11年ぶりに買い取り価格を引き上げた。

機械による収穫作業の外部委託で大幅に軽労化した(JA水戸提供)    

 茨城県は、加工用トマトの作付面積が2014年に長野県を抜いて全国1位になった。面積は2016・2017年産とも変わらず、全国の4割近くを占める。野菜の大産地で、労働力となる外国人技能実習生が多いことに加え、平場地帯で積極的に機械化を進めているためだ。
 JA水戸は畝立てや移植作業の機械化を進めてきたが、収穫は手作業で労働力1人当たり25アールほどしか作付けできない。そこで、昨年から始めたのが、契約メーカーのカゴメが開発した収穫機械を持つ、運送会社への作業委託だ。通常1カ月ほどかけて収穫するが、委託農家は同熟品種に変え、生分解性マルチにすることで、1日で終了した。委託料は10アール当たり7万円。生産費を差し引いても同約15万円の所得を上げることができた。
 昨年は生産者4人(72アール)が委託したが、今年は7人(2.25ヘクタール)に拡大。27人で8ヘクタールを作付ける同JAでは「メリットが認識されればさらに増え、面積の確保につながる」と期待する。