【FRONT LINE】 対応迫られる“食のバリアフリー”

食のバリアフリーシート。入っている食材に「〇」や「△」を記入する  

 東京五輪・パラリンピック競技大会を来年に控え、これまで以上にインバウンドの増加が見込まれている。一方、イスラム教徒やユダヤ教徒など食事に制限の多い人たちへの国内環境はまだ整っていない。この需要と供給のバランスの調整が求められている。日本フードバリアフリー協会のセミナーから将来を占った。


 同協会は、今年4月に設立。企業や飲食店などを会員に、料理にどんな食材が入っているのか、わかりやすく表示することを目指している。6月25日に開いた「食のバリアフリーセミナー」では、イスラム教の食の規律を示す「ハラール」や植物中心の食事をする「ベジタリアン」の市場規模についての講演を実施。約150人が参加し、関心の高さをうかがわせた。
 ハラールとはアラビア語で「許されたもの」を意味する。豚肉やアルコールを摂取できないとのイメージは強いが、他にも摂取できないものがあることはあまり知られていない。ベジタリアンも多様で、卵や乳製品は食べられる人も多い。動物性食品を全く食べない「ヴィーガン」も増えている。
 田中章雄代表は「一口にハラールやベジタリアンといってもさまざまな人がいる。国や地域、個人の見解によって、食べていい食材は違う。食べる側が選べる環境を作りあげることが大切だ」と訴えた。
 そのために推奨しているのが食のバリアフリーシート。一つの料理や皿ごとに、入っている材料に印をつけて表示する。わかりやすく正確で食べる側が選びやすい。食を提供する側も簡単に取り入れられる。