FRONT LINE 持続可能なミカン産地めざして 規格外を高付加価値商品に 静岡市 清水みかん共和国

 JAと地元企業などが手を携えた「清水みかん共和国」プロジェクトが、国内屈指のミカン産地・静岡市清水区で動き出した。規格外品を買い取り、付加価値の高い商品を開発。農家所得の向上やミカンのブランド力強化をもくろむ。農家の後継者対策も柱に据え、めざすは”持続可能”な産地づくりだ。

 プロジェクトは本年度から本格始動した。JAしみずとアドバイザーの(株)クレアファーム、地域商社の(株)ふじのくに物産、静岡県事業引き継ぎ支援センターが参加。同JAを窓口に、地元農家の課題解決に向けて各団体が専門分野のノウハウを発揮していく。
 5月には規格外品で作ったジュースの販売を始めた。素材本来の味を楽しめるように果汁100%とし、規格外でも普通のミカンと変わらないおいしさをアピールする。ギフト需要を狙い720ミリリットルを1382円(税込み)で売り出す。
 同区では青島ミカンを中心に年間7千トンを生産しているが、形の悪さや少しの傷で規格外となるものは年200トンに上る。ジュース原料にしても農家手取りはごくわずかなため、出荷せずに廃棄されることが多い。園地に放置され、獣害を招く原因にもなっていた。
 そこで、ふじのくに物産が規格外品を活用した商品開発と販路開拓を担い、農家の生産意欲と手取り向上につなげる。同社は「公正な価格で公平に取引する、いわば地域版フェアトレード」と説明する。今年は試験的に10トンを搾汁し、3千本を製造した。50トンの活用を当面の目標に、新商品も構想中だ。
 販売店舗は今のところ同JAの直売店や土産店など市内がメイン。まずは地元の人が地元の産業を支えることを入り口に、次のステップとして首都圏など県外への進出をめざす。