MY STYLE 地場産リンゴでシードル造り 北海道増毛町 増毛フルーツワイナリー

直売店を併設したワイナリー。奥にリンゴ園がある                   

 北海道増毛町にある「増毛フルーツワイナリー」は、日本最北の果樹産地にある最北の醸造所だ。札幌市出身の堀井拓哉さん(46)が新規就農し、ワイナリーを開いた。北の産地ならではの多様なリンゴをブレンドしてつくるシードル(リンゴの発泡酒)は人気で、ファンは全国に広がる。

 増毛町は道北西部の日本海に面する明治時代からの果樹産地で、リンゴ、サクランボ、ブドウなどさまざまな果樹が栽培されている。同ワイナリーはシードル専門で、辛口、中口、甘口の3種類を年間1万8千~2万本(330ミリリットル瓶)製造。季節限定で、洋梨のスパークリングワインもつくる。
 原料は町内の果樹農家がつくるリンゴ。同町では約30種類栽培されており、4~9種類をブレンドする。年によって使う品種が変わるので、リンゴ産地ならではの変化が楽しめる。
 収穫後に越年(えつねん)させ、追熟してデンプンが糖化した状態で、2月中旬から搾り始める。果汁をマイナス15度の冷凍庫で保存し、販売状況に合わせて順次解凍し発酵させる。香料、着色料などの添加物や砂糖などは使わず、炭酸もタンクの中で自然発生する純粋なスパークリングワインだ。
 販売は自社Webサイトからのネット通販と卸が半々。ネットで購入した人がSNSなどで拡散し、業者からも問い合わせが入るようになった。卸を通じて、道内や東京などの酒店、レストランなどに出荷している。町のふるさと納税でも人気の返礼品となった。
 2年前にはリンゴジュースの加工場も建てた。町内の果樹農家からつくってほしいと頼まれたためで、年間に約3千リットルを受託し、自家産も約800リットル製造する。シードル用だった自家産リンゴ(旭、紅玉、静香の3品種)は、全てジュース用に回すようになった。