FRONT LINE 体験型民泊で地域活性化 農林漁業の魅力生かす 長崎・島原市

タマネギの植え付け体験

 長崎県南島原市は平地が少ない中山間地域だが、野菜を中心に県内有数の農業産出額を誇る。有明海を臨み、漁業も盛んだ。そんな農業と漁業のまちに、海外からも含め年間延べ約1万3千人が訪れる。修学旅行生などが農林漁業を体験しながら民泊する体験交流型ツアーで、大きな経済効果と活力を生み出している。

 「何もないところに、1万人を超える人たちが来てくれるようになった」。南島原ひまわり観光協会の鴨内悟史チーフマネージャーは感慨深げだ。
 島原半島の雲仙地区は日本最初の国立公園。半島には雄大な雲仙岳や島原温泉(島原市)、雲仙温泉、小浜温泉(いずれも雲仙市)などがある。歴史のある観光地だが、2006年に8町が合併して誕生した南島原市は半島の南端にあり、これらの観光ルートからは外れる。
 世界文化遺産に認定された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の一つ、島原・天草一揆の舞台となった「原城跡」の人気が高まりつつあるが、宿泊施設は少ない。
 農林漁業体験民泊は、これといった観光資源はなくても、美しい自然と主要産業である農業・漁業を生かして地域を活性化させようと、観光協会が2009年度から始めた。
 民泊して、その家の家業である農業などを体験する。簡易宿泊所の許可を取り、1泊2日を基本に1軒に3~5人が泊まる。費用は1泊2食で9千円。宿泊先の家業体験のほか、星座観察や蛍狩り、島原の伝承を聞くなど楽しい時間もある。簡易宿泊所は食事の提供ができないため、自家産の農産物などを使う食事づくりも「体験」だ。