新たな防除法となるか 電気でジャンボタニシ誘引 佐世保高専の柳生准教授が実証試験へ

今年実証している水田。電源に正極と負極の板をつなげて設置。集まったジャンボタニシを指さす柳生准教授   

 被害の広がるスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の防除に新たな技術が誕生した。佐世保工業高等専門学校(長崎県)の柳生義人准教授(42)が、電気を流した電極にジャンボタニシが寄ってくる習性を発見。今年から県内の水田で実証を始め、実用的な防除方法の確立を目指している。

 ジャンボタニシは現在、九州から関東以南まで生息域を広げている。移植直後の水稲の食害に加え、レンコンの新芽を食べるなど被害面積は分かっているだけで10万ヘクタール以上。現状の防除は、浅水管理を主体に、農薬や石灰窒素での化学的防除、人手による捕獲などを組み合わせているが、決定的な防除はできていない。
 環境電気工学が専門の柳生准教授は、工学的なアプローチで地域の課題解決に取り組んできた。当初は電気ショックで殺すことを考えたが、高い電圧でも、なかなか死なない。水田でも安全に使えることを考え、それほど高くないさまざまな電圧をかけるうち、交流ではなく直流の時に負の電極に寄ることを見つけた。
 開発した装置は基本的に電源と電極板からなるシンプルなもの。柳生准教授は「電気を使ったジャンボタニシの誘引は世界でも例がない」と2年前から、研究室の敷地に2.5メートル×2.7メートルの波板で仕切った仮想の水田を作り、試験を始めた。100匹を中央に放し、電極板を10セット配置した実験では、24時間後の誘引率は約80%だった。