リンゴ ロンバス栽培広がる 山形・朝日町で開発 耐雪・早期多収実現

4本のパイプに主枝を沿わせて伸ばす

 無袋栽培発祥の地で、130年以上のリンゴ栽培の歴史を持つ山形県朝日町。冬場の積雪は1メートルを超える。雪の重みによるリンゴの枝折れを防ぐための技術「ロンバス栽培」が2011年に誕生した。早期多収が見込め、管理もしやすいなどメリットも多く、導入が進み始めている。

 同栽培は鋼管パイプと炭素繊維のワイヤを使い、主枝を四方に伸ばす手法。主支柱から短管パイプを上段と下段が交差するように固定し、上から見るとひし形のような形になる。パイプの中にはワイヤが通り、主支柱の頂点から、四方に伸びたパイプをつり上げるため強度が高い。
 4本の主枝はパイプに沿って伸ばすため、主枝を決めやすい。パイプが主枝を補強するため雪が積もっても枝が折れにくいのだ。
 一番下の主枝は、腰より低いものを選ぶため、早くから実がなる。成園化も早く、新品種をすぐに量産しやすい。成木でも高さは3メートル程度。さまざまな品種、台木にも対応できる。
 約3.6ヘクタールでリンゴを生産する志藤清市郎さん(62)は現在、約1.5ヘクタールで導入する。「通常、成木になるには最低10年かかるが、昨年、植樹から5年の『ふじ』で10アール当たり1トンとれた。樹高も低く、脚立を一段上がれば収穫や剪定ができるとパート従業員からも好評だ」と笑顔を見せる。来年は3トンどりを見込む。同栽培を導入し、改植8年目で単収4トン(慣行3トン)を達成した農家もいるそうだ。将来的には、すべての園地でロンバス栽培への移行を考えている。

 植栽距離は6メートル×5~6メートルが基本で、10アールに約30~33本植える。慣行より密植だが、枝が横に広がらないため、草刈りがしやすく、スピードスプレーヤーも通りやすい。収穫時には軽トラックも直接、圃場に入れる。パイプやワイヤなどの資材費は1本当たり、約5千~6千円だ。