FRONT LINE 農商工連携で“キャベツの町”PR 岩手・岩手町

道の駅ではキャベツマンが迎えてくれる

 東北最大のキャベツ産地である岩手県岩手町には、畑だけでなく町中にキャベツがあふれている。まんじゅうや焼酎などキャベツを使った加工品、専用ドレッシングなどさまざまな商品が開発。キャベツをふんだんに使う「焼きうどん」はご当地グルメとして定着し、ご当地キャラの「キャベツマン」がイベントなどで活躍する。

広大なキャベツ畑

 岩手町がある岩手県北地域は、明治時代からのキャベツ産地。当時導入された冬系の「南部甘藍(かんらん)」は日本一の出荷量を誇った。戦後も復興のシンボルとして盛んに生産されたが、1950年(昭和25)に害虫が大発生し生産が激減。群馬や長野など関東産地の拡大もあり、63年には生産が途絶えてしまった。
 町がキャベツ産地の復活に動いたのは83年。甘くて柔らかく、鮮やかな緑色の春系キャベツを導入し「春みどり」のブランドで出荷すると当たった。
 関東などでは春系は3~7月上旬に出荷するが、冷涼な気候の岩手町では7~10月が出荷シーズン。冬系しか出回らない時期に登場した「春みどり」は市場から支持され、1992年から県統一ブランド「いわて春みどり」として生産が拡大。現在、岩手町は作付面積520ヘクタールと東北最大の産地に成長した。

ヒット商品となったキャベツ専用ドレッシング

 生産拡大とともに、産地を後押ししようと関係者が取り組んだのが「キャベツの町」のPRだ。2009年に町認定農業者協議会が中心となり、町やJA、商工会などをメンバーに農商工連携促進委員会が発足。事業者と連携し、さまざまな加工品を開発している。
 盛岡市の浅沼醤油店と共同開発したキャベツ専用ドレッシング「キャベタリアン宣言」とゆず風味の「ゆずれぬ想い」は、累計販売数が約14万本のヒット。他にもキャベツを使った「キャベ酎」(焼酎)や浅漬けの「旬感キャベタリアン」、「キャベツまんじゅう」「岩手町キャベツドロップ」などさまざまなキャベツ加工品が開発され、道の駅などを訪れる観光客に好評だ。