FRONT LINE ふるさと納税 巧みなPR戦略で人気獲得 宮崎・都城市

 昨年度のふるさと納税の寄付金額が約96億円と、全国市町村中6位の宮崎県都城市。2年連続で全国1位になったこともある人気の自治体だが、初めから順調だったわけではない。成功の秘訣は「日本一の肉と焼酎」に特化したPR戦略だ。

ふるさと納税大感謝祭で「日本一の肉と焼酎」をPR

 2008年に始まったふるさと納税制度だが、同市への寄付は年間数百万円ほどだった。「都城の知名度が低かったんですよ」。市ふるさと産業推進局の小岩屋芳郎主幹は苦笑する。急増したのは2014年。就任した現池田宜永市長の下で、10月からふるさと納税のリニューアルを図った。
 きっかけは、市長が出張先の東京で都城市のことを「とじょうし」と言われたことだった。知名度が低い中で、どうやって都城を知ってもらうか。市長が導き出した戦略が「ふるさと納税制度のPRツールとしての活用」だった。 
 戦略の柱に位置付けたのが「日本一の肉と焼酎」。同市の肉用牛と養豚、肉養鶏の産出額は全国市町村中1位。九州に多い焼酎でも、市内に売上高日本一のメーカーがある。
 戦略策定後の動きは速かった。返礼品を肉と焼酎に絞って品目数を拡充。返礼割合を高め、ふるさと納税の主要な窓口であるポータルサイトとの契約などにもいち早く取り組んだ。都城に関心を持ってもらうため、テレビ番組への出演や飛行機の機体広告、東京モノレールのつり革広告、屋外広告などシティープロモーションにも積極的に取り組んだ。

 効果はすぐに表れた。2014年度の寄付額は約5億円に急増。改革2年目の2015年度は42億円、2016年度も73億円で連続日本一を達成した。
 2016年度以降は広く地場産業を振興するため返礼品目を肉と焼酎以外にも拡充した。同年4月には、返礼品提供事業者22社による「都城市ふるさと納税振興協議会」が発足。広告やイベント出店などによるPR、ファンづくり、返礼品の魅力向上に向けた勉強会などを続けている。