列島最前線 発酵食文化の継承・進化目指す 秋田・横手市 よこて発酵文化研究所

横手市の発酵文化をけん引する研究所の三役。前列左から佐藤幹事長、多賀糸所長、七尾副所長。後ろは市農林部食農推進課の原徳兵衛主査               

 秋田県横手市は「発酵のまち」だ。日本一広い横手盆地の中央に位置する良質米地帯。奥羽山脈の伏流水など水にも恵まれ、古来、麹(こうじ)を使った食品産業が盛んだ。発酵食文化の継承・進化を目指して誕生した「よこて発酵文化研究所」は、全国サミットの開催など市域を越えて幅広く活動する。

 「横手焼きそば」が日本三大焼きそばの一つに数えられるなど、食での存在感を増している横手市だが、発酵の食文化が意識され始めたのは近年のことだ。
 火を付けたのは、発酵学の権威、小泉武夫・東京農大名誉教授。2002年、食品加工の研究会に招かれた同氏が市の発酵食品の実情を調べ「横手はすごい発酵のまちだ」と断言。確認すると、昭和30年代には横手市を中心とする県南地域に114軒もの米麹の製造所があり、みそや甘酒、漬物、魚醤(ぎょしょう)、日本酒、納豆などさまざまな発酵食品が生まれていた。
 麹製造所はその後、人口減少や食生活の変化などで3分の2ほどに減ったが、加工品や家庭での料理など発酵の食文化は市民の間に広く浸透している。