日本農業技術検定試験 合格者体験記(平成25年度)

4学科のカリキュラムに組み入れた本校の日本農業技術検定対策について

北海道旭川農業高等学校 教諭 小山 靖之

 北海道の農業高校では「農業を学ぶ者として、農業の専門知識や技術・技能の定着を図るために農業技術検定3級の内容は生徒に身につけさせたい」と検定開始当時から全道で3級取得へ向けて取り組んでいます。 本校では、以前は全学科2年生で受験していましたが、現在は各学科カリキュラムに合わせ、受験させています。農業科学科・生活科学科は、3年間農業全般を学習するため2年生で受験。食品科学科・森林科学科では、科目「農業と環境」を学んだ後は、栽培分野から学習内容が離れるため、1年生で受験させています。  私が所属している森林科学科では、栽培分野については、カボチャ等の栽培実習、環境分野については、森林科学等の林業専門教科の実習を通じて学習させています。食品・畜産系分野については実験実習がありませんので、座学での問題集を中心とした学習をさせています。 また今年度より、検定時期に合わせ、朝の学習時間と放課後の検定対策授業を設定し、過去問題を繰り返し解答させた結果、合格率が向上しました。

農業技術検定で農業の基礎知識向上と達成感

熊本農業高等学校 教諭 中原 武

 熊本農業高等学校では、2年生時に第2回農業技術検定3級を全員が受検し、3年時には第1回農業技術検定の3級と2級を希望者が受検しています。  2年生時の受検に当たっては、授業の中や放課後の課外で過去問を中心に解説を含めた指導が各学科で行われています。全員合格を目標に生徒達は頑張っていますが、なかなか難しい現状です。今、2級の合格率向上を目指した指導方法を工夫し、総ての生徒が目標達成できるような指導体制づくりに取り組んでいます。  本校では、平成25年度から「熊農マイスター制度」を設け、様々な資格取得や大会での入賞を点数化し、獲得した合計点数によって卒業時に表彰しています。表彰を受けるため、自己実現のために個人個人が目標を設定し、目標に向かって一生懸命に取り組んでいます。 この制度により生徒達が農業技術検定はもとより様々な資格取得に意欲的となり、各自が目標を一つ一つクリアすることで達成感も味わっています。

農業技術検定を団体受験して

長野県南安曇農業高等学校 教諭 溝口 紀泰

 長野県南安曇農業高等学校は、北アルプスの麓に位置し、もうすぐ100周年を迎える農業高校です。何度かの学科改変を経て、「グリーンサイエンス科」、「生物工学科」、「環境クリエイト科」の3学科がある学校です。いずれの学科も1年次には「農業と環境」を学び、2年次より、それぞれの学科の専門的な学習に進んでいきます。 「農業技術検定3級」は、1年生および2年生が授業の一環として団体受験し、農業の基礎的な知識の定着を図り、専門的な学習、実習への導入と位置付けています。 2年生、3年生になるにつれ、他の資格・検定も多くなってきますので、「問題集」・「テキスト」・「教科書」をどのように使い分けるか?どのように学習していけばよいか?ということも授業の重点に入れ、効果的・効率的な学習方法が低学年の段階で身につくように指導を工夫しています。

農業科目の基礎固めとして、日本農業技術検定を行っています

広島県立庄原実業高等学校 教諭 宮本 正展

 庄原実業高校は,開校105年目を迎える広島県の専門高校(農業)の拠点校であり,実業(なりわい)の道を究め,卒業後社会で通用する人材の育成を目指しています。 本校は,生物生産学科(園芸流通・動物生産)・食品工学科(食品製造・生物工学)・環境工学科(環境保全・環境開発)・生活科学科(生活福祉・生活文化)の4学科(8類型)であり,日本農業技術検定3級の選択科目である栽培系・畜産系・環境系・食品系のどの分野でも選択して受験でき,本校では2年生の12月に3級を全員受験するように取り組んでいます。 1年生では,農業科目として,科目「農業と環境」と生物生産学科などの各学科の特性を活かした基礎科目について学習し,その後2年生の11月から問題集を中心に早朝・放課後補習を行いました。学年全体では合格率38%とまだまだ低い結果となってしまいました。 日本農業技術検定は,基本的な項目が体系的に取り入れられていると同時に専門性も深めていくことができ,合格した生徒はさらに意欲的に他の資格にも挑戦し,学習するようになりました。 今後は,朝学習や各学年の教科学習内での学習を深め,定期テストにも模擬試験として取り組み,3級の合格率を上げるとともに,2級にも多くの生徒が挑戦し,農業への興味関心を深め,後継者育成や農業への理解を高め,即戦力として社会で貢献できる人材を育てたいと考えています。 

JAかながわ西湘の農業技術検定への取り組みについて

JAかながわ西湘 営農部指導課 守屋 佑一

 JAかながわ西湘は温暖な気候に恵まれ、果樹を中心に多種多様な農産物が生産されています。 自分は入職以来、営農指導を行っていますが、必ずしも農家の皆様に満足できる指導を行えているとは言い難いです。そんな悩みを抱き、日頃より少しでも営農指導の業務をスキルアップしたいと思いなにか無いかと模索していること農業技術検定と出会いました。 自己研鑽に励み、無事、一度の試験で2級、3級を取得することが叶いました。検定試験本番では、学習の成果はもちろんのこと、組合員との話が思い起こされ日々の業務と農業技術検定はしっかりと結びついている。そのような実感を持ちました。 取得した次年度、この検定を広く農協職員にも取得してもらいたいと思い、業務として職員研修を行い、農業技術検定の模擬試験を行い団体受験を開催し、営農、金融に関わらず数多くの職員の方に農業技術検定を取得して頂きました。その中には農業知識豊富な職員もいましたが技術の基本を見直すとても良い機会だと好評を得ました。 農協職員や農家以外にも農協を志す学生などにはとても良い学習の機会になると思います。

日本農業技術検定にチャレンジ 営農指導員は全員1級合格をめざせ

JAみな穂 営農部長 松原 克巳

 我がJAみな穂には16人の営農指導員がいます。中期経営3か年計画の中で営農指導員資質向上の一環として農業技術検定受験を位置づけました。 日々、農業者と接する中で農業者の規模拡大とともに農業者の情報量が営農指導員の情報量をうわまわると思われることが度々あり 営農指導員の基礎営農力をアップすべきと考え、全員1級受験、全員合格を目標としました。営農指導員は知識と技術に貪欲であるべきです。 本音は、合格することよりも合格するために各自がもう一度専門書を読んだりお互いの知識や情報を交換したりする過程でチームの力をアップすることにあります。 受験前には過去問題の解説を中心としながら集中ゼミを2時間3日行いました。ゼミは夜間で参加は自由としました。 ゼミの期間は生産部会の反省会等で多忙な時期であり参加した営農指導員は少なく、そのせいか合格者は2人にとどまり全員合格は果たせませんでした。 それでも我がJAに難関1級合格者が2人いることは頼もしいことであり、今後も全員1級を目指してチャレンジします。

日本農業技術検定1級合格を目指して

山口県立農業大学校 やまぐち就農支援塾 担い手養成研修 野菜専攻 中野 雄也

 私は社会人研修生として1年間、農業大学校で作物栽培の基礎を学んでおります。 本年は2級、1級にチャレンジし、運良く合格することができました。社会人ですので、なかなか勉強時間が取れないのが悩みでしたが、私なりに工夫して学習した点を幾つかお話したいと思います。 一つ目は、とにかく過去問を繰り返し学習するという事です。前述の通り、勉強時間が限られる中で、最大の効果を発揮するのはやはり過去問を通じた対策です。 2級に関しては、全国農業会議所がまとめた過去問題を活用しました。しかし、1級に関してはまだ過去問の蓄積が少なく書籍化されていなかったので、過去3年分の本試験の問題用紙を、農大を通じて同会議所に郵送で送って頂きました。(私の時は1年分2000円でした) 1級は作物栽培の知識だけでなく、農業政策、簿記、時事問題など幅広い分野から出題されます。ですので、私の場合、最初から高得点は期待せず、合格ラインギリギリを狙い、割り切った勉強に取り組みました。 具体的には、過去問を3年分一通り解き、最初に間違えた箇所のみをもう一度繰り返す。基本的にはこれだけです。あとは、プラスアルファとして、設問や選択肢の中に見慣れない言葉があった場合は、インターネットや手持ちの専門書などで調べ、設問の横にメモとして記入する。 これを試験開始の直前まで見ることで、記憶の定着を図りました。 二つ目は、合格ラインに達するための戦略として、落としてはいけない問題と、間違えても構わない問題(いわゆる捨て問)をしっかり区別するということです。 他の級と比べ、1級は問題数が増え、レベルも飛躍的に上がるので、正直、専門家でないと分からない問題もあります。 そのような問題に悩んでしまうと時間配分を誤り、最悪の場合、最後まで回答できない事態になってしまいます。 ですから私の場合、自分の専門分野と過去問で繰り返し問われていた問題は確実に加点し、それ以外の分野は最悪落としても構わないという気持ちで臨みました。 私はイチゴを専門にしておりますので、「イチゴの作業便利帳」(農文協)や「イチゴ作りの基礎と実際」(同)を参考にしました。 前著は少しマニアックな部分にも踏み込んだややプロ向きの内容、後著は基礎から実践レベルまで分かりやすく書かれていますので、これからイチゴを学ばれる方の入門書としては最適かと思います。 その他の野菜に関しては、「野菜栽培の基礎」(農文協)を参考にしました。 あと、今回受験しての感想ですが、農水省のホームページに記載のある内容からの出題も見受けられましたので、普段から同省のホームページをチェックして情報収集するのも有効かと思います。 何より、新規就農者にとって必要な情報も多いので、見ておいて損は無いと思います。 かなり受験合格を目的としたテクニックに偏った感もありますが、忙しい中で合格を目指される方の一助になれば幸いです。 今後も多くの農業従事者、新規就農者の方々が合格を勝ち取り、日本の農業者全体のレベルアップに繋がることを心より祈念しています。

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