日本農業技術検定試験 合格者体験記(平成26年度)

東京都の技能スタンダードの取り組み動向

東京都立農芸高等学校教諭 氏田 浩一
    
東京都教育委員会が平成25年4月に「学力スタンダード」と「技能スタンダード」の導入を決めたことにより、「日本農業技術検定3級受験」は平成27年度から都立農業高等学校の全生徒に目指させることになりました。
これに伴い、平成25年度に推進モデル農業校に指定された都立農芸高等学校では、25年度に自校の「学力スタンダード」の作成を行い、「技能スタンダード」については、平成26年度に2年生を対象に全学科に「日本農業技術検定3級全員受験」の導入を決定しました。
同校は園芸科学科1クラス、食品科学科2クラス、緑地環境科1クラスですが、受験者150名、合格者111名合格率74%でした。各科とも科目「総合実習」として検定合格者には1単位を増単位として位置づけ取組みました。学校側は当初心配したそうですが「やればできる、成績は教師次第だ」と自信を持たれたそうです。

教師と生徒が一体となって3級全員合格を達成

平成26年度日本農業技術検定3級最優秀団体(農業高等学校の部) 
宮崎県立日南振徳高等学校教諭  松岡 亮一

宮崎県立日南振徳高等学校(日南市)では、26年度3級受験において、第1回37名受験37名合格、第2回同じく37名受験37名合格、合計74名全員合格を達成しました。
同校は総合制専門校で農業系は地域農業科1クラスですが全員受験をしています。日本農業技術検定の受験に当たっては、補習のほか毎日始業前にミニテストを実施して、検定に臨んだそうです。
試験内容は1年生で学習する「農業と環境」教科書の内容から出題されますから、先生のご指導の下に効果的に勉強をすれば確実に成果が上がることを物語っています。

授業後の補習を充実して2級の検定合格に重点をおいた農業教育を進める

平成26年度日本農業技術検定2級最優秀校(農業高等学校の部)
安城農林高校教諭 永井 直樹

愛知県立安城農林高等学校は農業科・園芸科・生物工学科・食品科学科・動物科学科の6学科を有する農業高校です。それぞれの学科が食料と環境について深く学び、農業のスペシャリスト育成を目指しています。
生徒は受験時に学科の学習内容に応じて選択科目を選び受検しています。⒊級よりも選択科目の割合が高い2級を単独で受験する生徒も多くいます。日本農業技術検定は日頃の学習内容の定着や成果を確認することができ、生徒の自信と学ぶ意欲に結びついています。
26年度は3級の合格率は第1回95.5%、第2回85.3%、2級の合格率は第1回100%、第2回27.6%でした。 今後は、授業後の補習を充実させ、2級の合格率を上げるとともに,さらに多くの生徒が検定に挑戦するよう指導していきます。そして、農業への興味関心、理解を一層深め、即戦力として社会に貢献できる人材育成を目指した農業教育を実践していきます。

農業技術検定を活用して学生の学習状況を再確認

平成26年度日本農業技術検定2級最優秀団体(農業大学校の部)  
埼玉県農業大学校 助教授 平井 敏一

埼玉県農業大学校は県南東部の鶴ヶ島市にあり、本年で70周年を迎えます。4月から県北の熊谷市へ移転し、新たな農業大学校として出発します。
農業高校出身の入学生は日本農業技術検定3級を取得している学生が多くいるものの、近年特に普通高校からの入学生が増加してきており、農業大学校に入学するまで農業を学んだことのない学生も多くなりました。
そこで、本校では入学時に基礎学力の確認テストに加えて、農業技術検定3級の過去問題を用いて、農業に関する知識を確認することにより、学校全体としてひとり一人の学生にきめ細かい指導を行うよう心掛けています。
特に、農業に関する習熟度が低い1年生をに対しては、放課後(5時限目)に7回補講を行い、7月の3級試験で全員の合格を目指しました。
後期には3級合格者を対象に、12月の2級試験合格を目指して受験対策講座を放課後(5時限目)に8回開催し、模擬試験と問題解説を行い、毎回の模擬試験では全員が8割以上の正解率を目指して指導しました。
また、本校は在学中に農業技術検定をはじめ、大型特殊自動車(農耕車限定)免許、同けん引免許、毒劇物取扱責任者、危険物取扱者(乙種4類)、農業機械士、建設機械等の取扱資格、家畜人工授精師(酪農専攻)、食品衛生責任者などの資格を1つでも多く取得するよう動機づけを行い、自宅就農や就職就農に役立つよう積極的な指導をしています。
これらの取り組みの積み重ねとして、2級合格率の向上につながったものと思います。

日本農業技術検定1級(果樹)学科の合格は、"継続は力なり"の結果

有限会社 服部果樹園 代表取締役 服部 一成

私は、和歌山県有田市にて果樹農家として個人で農業経営を行いながら、法人経営では自家の農産物と地域特産品の販売、経営や品質管理のコンサルティングなどを行っています。
また、和歌山県農業大学校では環境保全型農業の非常勤講師として、農業後継者の育成にも携わっています。
大学は経済学部を卒業しておりますので農学は独学ですが、改良普及員資格などの資格試験を取得することで農業スキルを積むことなども行ってきました。日本農業技術検定は、2級を一般受験が初回に実施された年に合格し、その翌年には1級が初回に実施され、その時から果樹を選択してチャレンジしてきましたが、果樹の出題範囲は、主要果樹(リンゴ、ナシ、ブドウ、モモ、カキ、カンキツ、ビワなど)から特産果樹や熱帯果樹までとても幅広く、品目・品種によっても栽培、収穫、出荷の技術が異なるため、その難易度はとても高いレベルにあると思います。
2級(果樹)では95%程度の正解率で合格することができましたが、1級(果樹)の初回チャレンジの結果は正解率30%程度だったと記憶しております。
その後も毎年チャレンジすることを自己研鑽の機会と考え、試験勉強を継続することで自分自身に幅広い知識が蓄積され、徐々に正解率も向上していって、6回目のチェレンジで合格することができました。社会人なので試験勉強のための時間を確保することはなかなかできなかったのですが、諦めずに地道に勉強してきたので、今では"継続は力なり"を実感しています。
私の勉強方法ですが、一般科目については、農業関係の新聞を購読していますので、農業政策や農業経済について最新情報を得て、体系的に「食料・農業・農村 白書」で統計結果などを知識として得るようにしてきました。選択科目の果樹については、同じく前述の新聞で主要果樹の最新技術の知識を得ることと、「果樹園芸大百科 果樹共通技術」(農文協)で得た果樹共通技術の知識をベースに、さまざまな果樹専門書を用いて各品目・各品種についての独自の技術を知識として得るようにしてきました。ここで重要なのは、技術は日々進化していますので、専門書は必ず最新版を用いることをお薦めします。このように、長期的に日々の生活に学習を取り入れておけば、試験の約1週間前から過去5年間の試験問題を計2回反復して学習し、自分の弱点を知り、その点を強化したことが今回の合格につながったと思っています。
果樹の栽培品目・品種には地理的制限がありますが、私と同じ農業経営者の方は、受験勉強で知識として得た技術を現場に導入し、検証することは、実践技術のスキルアップのみならず、品質と収量も向上し、経営に大きな相乗効果をもたらします。
このことから、若き農業後継者や農業経営者は、是非とも日本農業技術検定1級試験を農業経営のツールとして活用し、農業所得の向上を実現することを私は推奨します。

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