日本農業技術検定試験 合格体験記 令和6年度
いのちの根幹をはぐくむ農業の学び、その知識の確認として日本農業技術検定を!
(兵庫県立農業高等学校)
兵庫県立農業高等学校は、2024(令和6)年度の受験実績が認められ、本検定の優秀団体表彰(高等学校の部)において2級で最優秀校に選ばれ、2019(令和1)年度に続いて同部門の2回目の受賞となりました。
同校は、農業科、園芸科、動物科学科、食品科学科、農業環境工学科、造園科、生物工学科の特色ある7つの専門学科で全生徒840人が学ぶ、近畿地区でも最大規模の農業単独校です。そして、「ゆたかな情操 たゆまぬ研鑽」の校訓のもと、日々、作物や動物、自然やそれらを取り巻く環境に触れ、広い知識・技術と科学的な分析・経営能力をもつ農業のスペシャリストの育成を目指しています。また、国際社会に向けたグローバル人材の育成のため、ニュージーランドのフレイザー高校とパートナーシップ協定を結び、短期留学やホームステイの受け入れをとおして生徒の国際理解の啓発に努めています。
このような校風のもと、同校生徒は、学業はもとより、農業クラブ専門部会での活動や地域貢献・産官学連携に積極的に取り組んでいます。各学科での特色ある活動として、酪農・肉牛・愛玩動物などの各研究会、産学官連携による新商品開発、大学との連携によるバイオ技術の向上など多岐にわたる取り組みがあり、多くの生徒が自主的に活動しています。
また、日頃の学習成果として専門的領域の基礎知識の定着を図るため、日本農業技術検定を継続して団体受験しています。同校ではかねてから、先輩やクラスメートなど学校全体に技術検定受験への機運醸成が図られており、その受験者数は毎年100人を超え、2024年度は延べ205人が受験し、うち70人以上が上級の2級受験にも挑戦しています。3級は8割前後の合格率を誇り、とくにクラス全員が3級合格を目指す学科では、日本農業技術検定の当初からの過去問題集やテキストが書棚に積み重なり、生徒が授業の中で学習できるように先生方の支援体制も整っています。
1学年で3級を取得した2年生の多くは、2級取得を目指し果敢に挑戦していますが、そこで役立つのが研究会活動や産学官連携事業などで得た知識・技術で、いわば教科書の応用編です。2級テキストで理解を深めて、過去問題集で実践力を磨き、そして課外活動で応用力を養って合格を勝ち取っています。
大学や企業などにおいて高校での学習成果の評価を得るため、本検定の2級や3級を取得してアグリマイスター(農業高校生の顕彰制度)の上位顕彰につなげることは、希望する大学や専門学校などへの進学をはじめ、公務員や優良企業に就職する際に、客観的評価として調査書・内申書などに提示することができます。日頃の授業をとおして学び得た専門的な基礎知識や発展的な技能の指標として、本検定の資格取得は生徒のキャリアアップや卒業後の進路に着実に活用されています。

日本農業技術検定試験 合格体験記 令和5年度
生徒の主体的な学習の積み重ねで希望進路を実現(岐阜県立岐阜農林高等学校)
岐阜農林高等学校では、生徒一人一人の可能性を最大限に伸ばし、豊かな心と自立した人を育み、進路を実現することを教育目標に掲げて、専門教育校として「科学的素養を身に付けた将来のスペシャリストの育成」を指導の重点に置いています。
その達成のために、生徒の主体的で対話的な深い学びの実現に向けて、自主学習が可能となるクラウド型教育支援システムなどのICT(情報通信技術)や学習の評価指標としてルーブリック(評価基準表)を活用するなど、効果的な取組を進めています。
日本農業技術検定についても、団体受験を実施して、生徒の授業の理解度を測るバロメータとして活用しています。1年生は全員が12月に3級を受験し、毎年、生徒各自が3級テキストと過去問題集をそろえ、「農業と環境」や「総合実習」の授業では学習計画の中に位置づけて、主体的に試験勉強に取り組むように指導しています。
また、2~3年生には積極的な2級受験を勧め、3級受験で培ったテキストと過去問題集を活用した自主的な学習を指導し、保護者にも2級資格取得の有効性を説明して生徒の支援と協力をお願いしています。
そうした取り組みから、本検定の2級と3級ともに農業高校部門の優秀団体に表彰される成績優秀の常連校になっており、卒業生についても、4年生大学に進学する4割を含めて約8割が進学し、約2割が公務員や履修学科関連の企業に就職して、多くの生徒が同校での学びを生かした進路を実現しています。

岐阜県立岐阜農林高等学校の生徒の皆さん(校内スクールマーケット「のうじょう君」の前にて)
日本農業技術検定試験 合格体験記 令和4年度
農場体験を基礎にした学習と進路活動で学習意欲を向上(静岡県立静岡農業高等学校)
静岡県立静岡農業高等学校は、2022(令和4)年度の受験実績が認められ、本検定の優良団体表彰において2級と3級の2部門(それぞれ高等学校の部)で最優秀校に選ばれました。平成27年度から実施する当該表彰で2部門の同時受賞は、今回が初の快挙です。
同校では、農家出身の生徒が少なくなるなかで、1学年の「農業と環境」の授業の一環として生徒自らが1人で学校の畑(約2坪)を管理し、毎朝、自分の圃場の観察記録をつけて作物の育成、農業生産の実態を身をもって体験することで、農業理解の土台をつくり、学校3年間の学習効果を高めることにつなげているのが大きな特徴です。
また、2年次からの「課題研究」では、生徒一人一人が自らの進路活動と一体的に取り組み、大学や専門学校等に進学する生徒が多いこともあり、とくに進学に有利な資格取得に力を入れています。スマート農業に関連した情報処理検定をはじめ、日本農業技術検定3級にも2年生の約8割が7月検定を受験して、日頃の学習成果の証しとなるように活用しています。
本検定の受験にあたっては、3級テキストからポイントとなるキーワードを重点に理解するように授業でも取り上げ、受験近くなると3級過去問題集を解いて解説を確認して取り組み、授業以外でも生徒が意欲的に勉強する環境を整えている学科もあります。
進路活動で大学進学等を希望して本検定の2級受験をめざす生徒には、5択形式など難易度の高い問題に慣れるためにも2級過去問題集を繰り返し確認するようよう指導し、最新の試験問題も配付して、2級テキストを活用した自主的な学習を積んで、学校全体としての実績を高めています。1年次に修得した農業知識が基礎となって、2級試験においても高成績をあげているといえます。
令和4年度には、3級受験者数121人で合格率9割、2級は受験者数42人で5割を超える合格率で、それぞれの受験級で最優秀校に選出されました。

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