主催 農林水産省・全国担い手育成総合支援協議会

全国優良経営体表彰

農林水産省と全国担い手育成総合支援協議会は、意欲と能力のある農業者の一層の経営発展を図ることを目的に、優れた経営を実践している農業経営体を表彰する「全国優良経営体表彰」を実施しています。
本表彰は、都道府県や都道府県農業会議、都道府県農業法人協会等から推薦のあった優良な事例から、学識経験者等で構成する審査委員会で農林水産大臣賞等が決定されます。

平成29年度全国優良経営体表彰の概要

農林水産省及び全国担い手育成総合支援協議会は、意欲と能力のある農業者の一層の経営発展を図るため、農業経営の改善や地域農業の振興・活性化に優れた功績を挙げた農業者を表彰しています。
このたび、経営改善、生産技術革新、6次産業化、販売革新の各部門における、農林水産大臣賞、農林水産省経営局長賞及び全国担い手育成 総合支援協議会会長賞が決定(計34事例)しました。

<受賞者一覧>平成29年度全国優良経営体表彰受賞者一覧(敬称略)
<受賞者概要>平成29年度全国優良経営体表彰受賞者概要

平成29年度全国優良経営体表彰 農林水産大臣賞受賞者の紹介

<経営改善部門>

富山県下新川郡入善町 株式会社アグリたきもと

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代表取締役 海道 瑞穂(かいどう みずほ)氏
作付面積:97.5ha(水稲63.0ha、大豆34.2ha、入善ジャンボ西瓜0.2ha、ハウス白ネギ0.1ha)

◆取組概要

   31歳の女性が代表を務める家族経営の農業法人。実父が1.5ha規模の経営を行っていたが、平成18年に代表と実母が経営に参画、平成22年に法人化。法人化に際して、これからは女性の時代であること、若いセンスを発揮する等の考え方から瑞穂氏が代表に就任。細やかな気配りなど女性ならではの特長を経営面でも発揮。
   土作りや除草の徹底、搬入路の整備など、丁寧な管理の積み重ねで周囲の信頼を獲得。「預けるなら瀧本さんに」と認められ平成22年に45ha、平成29年に100haを越え、規模拡大が急速に進展。
   栽培の基本技術の徹底や無人ヘリコプターによる適期・省力防除により、単収は約630kg(県平均566kg)、1等比率は100%を達成。田植機1台、コンバイン2台で作業体制を組む一方、色彩選別機や高速籾摺機等を高性能化するなど投資内容を精査することで、高品質かつ高収量を実現する独自の体系を確立。
    経営する農地は8集落に渡るが、各集落で行われる「農地・水・環境保全対策」の活動に積極的に協力するなど、地域との調和を大切にしつつ環境保全に貢献。 ピンク色を法人のシンボルカラーとし、明るい労働環境で労働意欲を高めつつ、シャワー室や男女別のトイレ・休憩室の設置など従業員の福利厚生も充実。

岐阜県本巣市 アグリード株式会社

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代表取締役 安藤 重治(あんどう しげはる)氏 
作付面積:104.1ha(水稲75.2ha、小麦23.0ha、大豆5.6ha、野菜0.3ha)

◆取組概要

  地域の中心的担い手として、農地中間管理事業を活用し、自ら率先して耕作地を提供し利用権交換することで、農地を集約化するなど経営面積を拡大。所有者が耕作できない水田を積極的に受け入れ、耕作放棄地の発生防止に貢献。
 水稲だけでも10品種以上を組み合わせて作期分散を図るとともに、機械と従業員がフル稼働する状態を追求。ICT技術も導入し、ほ場管理や作業記録等生産管理情報をデータベース化し、更なる経営管理の効率化・合理化を図っている。
 平成28年には加工用キャベツの栽培を始め、複合経営による新たな経営展開に着手。6次産業化の一環として餅加工の取組も拡大。
  経営全体と作目やほ場ごとの目標数値を明確にし、生産にかけたコスト、収穫・販売の成績や収益などを従業員と共有し、振り返ることで個々のプロ農業者として意識を高め、経営全体の発展に繋げている。
 休日制の導入をはじめとする労働負担の軽減や退職金制度の整備、年複数回の手当支給など、労働環境も積極的に整備・改善。さらに、毎年、地元小学生の総合学習を受け入れ、田植え・稲刈り体験の指導を行うほか、県や市と地域農政について意見交換するなど若手リーダーとして地域に大きく貢献。

熊本県菊池郡大津町 ネットワーク大津株式会社

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代表取締役 齊藤 洋征(さいとう ひろゆき)氏
作付面積:510.6ha(水稲(主食用米12.3ha、飼料用米18.7ha、WCS30.9ha)、大豆202.3ha、麦246.3ha、水稲育苗0.1ha)

◆取組概要

 地域の農地・農業の維持、効率的な営農活動、農村コミュニティの再構築を目的とし、12集落営農組織(13集落)が再編・統合し、平成25年に設立された広域的な集落営農法人。集落の基本的な活動は維持しつつネットワーク化させ、500ha以上の経営面積を誇る。
   このスケールメリットを活かした営農体制を確立し、計画的・効率的な作付体系及び生産性の向上を図っており、地域全体を一つの農場とした団地化やブロックローテーションを実施。
 法人へ預けられた農地の経理は集落・作物毎に経理することで効率化を図っている。また、法人設立時に各集落から持ち込まれた多くの機械を整理統合し、機械格納庫を拠点とした集中管理により、農機具費が削減され、米生産費で県平均の3割減を達成。
 地域の若者を専任オペレーターとして積極的に雇用し、法人の中で技術的・経営的な育成を行いながら、将来、地域の担い手として起業・独立できるよう、法人の資本装備を活かした担い手の育成・支援体制を構築。  
   麦踏フェスティバルなどの農業体験活動を実施。農家・非農家の区別無く、農業に対する理解促進活動を実践し、地域全体で農地や集落を守る意識を醸成している。

<生産技術革新部門>

熊本県合志市 有限会社吉川農園

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代表取締役 吉川 幸人(よしかわ ゆきと)氏
作付面積:16.9ha(大葉2.0ha、紫蘇(加工用)1.5ha、梅0.8ha、大麦若葉6.0ha、大豆6.0ha、栗0.6ha)

◆取組概要

 「農業はやり方次第で必ず儲かる」をモットーに、平成4年に設立。限られた経営耕地でいかに利益を上げるかを追求し、紫蘇(大葉)の生産・加工・輸出に取り組んでいる。
   全ハウスにセンサーを設置し、温度や湿度、日射量、土壌中水分、土壌養分(EC)等を計測。モバイル端末などで計測データとあわせて生育状況もリアルタイムで監視。蓄積データを分析し、最適な施肥計画や栽培環境を実現。その結果、年間の大葉生産量が7%(3,000万枚から3,200万枚へ増加)、10a当たりの販売額が35%の売上向上につながる。
 紫蘇の規格や破れ、穴あき、虫被害等をチェックする自動選別システムや高速自動選別機を県内企業と共同で独自開発し、導入。取引先の拡大と信用獲得、製造ラインに必要な人員数と処理時間・能力が大幅に改善。
 国内の施設野菜で初めて生産情報公表JAS規格の認定を取得。消費者等からの問い合わせに対して、1袋ずつ生産情報を提供できるよう、消費者への安全・安心の提供を重視。  
隔週での週休2日制やフレックスタイム制、収穫量に応じた歩合制を導入し、育児中や高齢の女性が働きやすくやりがいのある職場環境も確立している。

<6次産業化部門>

宮城県大崎市 デリシャスファーム株式会社

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代表取締役 今野 文隆(こんの ふみたか)氏
作付面積:4.0ha(デリシャストマト1.5ha、夏秋トマト0.3ha、抑制トマト0.4ha、水菜・その他野菜1.8㏊)

◆取組概要

 平成6年に、町内のトマト生産者とともに地域の特産品を創るため高糖度の「デリシャストマト」の栽培を開始。平成10年には、規模拡大と雇用の安定化を図るためデリシャスファーム株式会社を設立。
   デリシャストマトは、潅水量を控えることにより生理障害や品種の特性による規格外がでやすく、生食販売できないトマトの有効活用を図るため、平成18年に加工部門を立ち上げ、ジュース、ソース、ジャム、ドライトマトなどの加工品開発・販売を実施。
  平成23年には農園カフェをオープンし、カフェと併設した直売所ではデリシャストマトの90%以上を消費者に直接販売。デリシャストマトを生かした加工、農園カフェの6次産業化部門の売上が増加し、経営全体においても、1億円を超える売上高。
 消費者に支持される商品開発を行う中で、女性従業員のアイディア、女性目線を積極的に取り入れた商品やパッケージ、カフェメニューを開発。商談も女性中心に実施。
 カフェや直売所が人を呼ぶ場としての機能を発揮しているほか、収穫体験や町をあげてのデリシャストマト祭りの開催といったイベントを企画するなど、地域の活性化にも貢献。

京都府京都市 こと京都株式会社

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代表取締役 山田 敏之(やまだ としゆき)氏
作付面積:24.7ha(九条ねぎ)、養鶏2,000羽

◆取組概要

 九条ねぎの日本一の生産、加工、販売の会社。年間販売量は1,200t。総売上高のうちの85.5%を九条ねぎの生鮮及びカット商品が占める。九条ねぎを使用したドレッシング、カレーなど多くの加工品を開発し、九条ねぎの新しい可能性に挑戦。
 九条ねぎの安定供給を目指し、府内での生産地を拡大する取組を進め、京都府内に3箇所の産地(京都市内、亀岡市、南丹市美山)を保有し、産地リレーによる周年栽培を実現。
  栽培管理と作業管理の標準化を可能とするシステムを構築し、栽培管理に加えて栽培・作業履歴から出荷調整まで可能となる仕組みに取り組む。  
加工においては、取引先の要望に応えるため、0.1ミリ単位でのカット加工を行うほか、安全・安心を担保するために、オゾン殺菌、水温2℃での洗浄、全自動パック包装まで独自の品質管理を実施。
  販売の多角化のため、麺製造販売事業者を皮切りに、自ら東京のラーメン店等に営業を行い、全国チェーンの事業者との取引を獲得するなど、意欲的に販路拡大にも取り組んでいる。
  若者を対象に一定期間、九条ねぎの生産から加工・販売までの6次産業化までを体系的に学び、研修終了後、就農・独立支援する研修制度を実施するなど若手農業者の育成に貢献。

<販売革新部門>

高知県高知市 有限会社見元園芸

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代表取締役 見元 一夫(みもと かずお)氏 
作付面積:3.36ha(施設花き1.1ha、施設ショウガ0.61ha、露地ショウガ1.1ha、水稲0.55ha)

◆取組概要

 自らが独立してやりたい農業を行っていくことを目標に夫婦で花苗栽培をはじめ、より珍しい品種の栽培に取り組んでいる。 現在では、オリジナル品種のビオラ80種、クローバー20種を育種するほか、当省の品種登録も行うなど個人育種家で鉢苗を増産している数少ない生産者。
 花苗には特徴的なネーミングとオリジナルキャラクターをデザインし、花苗とPOPをセットで流通させ、売り場で差別化を図りながら販売。
  安定した花苗を全国に供給するため、全国の12名の花苗生産農家と契約。オリジナルの種を提供し栽培してもらうとともに、各契約農家の持つ販路を活用し地元のホームセンターやフラワーショップ等に直接販売するネットワークを構築。
  異業種の需要開拓に取り組み、ブライダル業界に販路を拡大。高価格帯の結婚式場に営業し、ウエルカムボードや引き出物等への提案を行うことにより収益性をあげ、会社のブランド力も向上。
 EU圏向けにオリジナルビオラの種を販売し、「WILD RABBIT」の商標で展開。アメリカなどにも徐々に販路を拡大している。

鹿児島県南九州市 有限会社小磯製茶

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代表取締役 小磯 雅一(こいそ まさかず)氏
作付面積:94.6ha(茶94.6ha(うち加工受託69.9ha、有機茶40.0ha))

◆取組概要

 全国屈指の茶産地である南九州市の山間地において、明治時代から茶を生産。昭和32年に製茶工場を設立、昭和46年には法人化し、早くから乗用型の管理機や摘採機を導入するなど、機械化体系を確立した先進的経営を展開。
  効率的・効果的な茶業経営を確立するため、地区の標高差と早生・晩生の組み合わせにより労力を分散し、計画的な茶生産と茶工場の操業期間の長期化、規模拡大を進めている。
 国内の茶の消費停滞に対応し、有利販売につながる高付加価値化を図るため、茶商や同業者と話合いを重ね、平成24年度から有機栽培に取り組み、国内外で需要が拡大している抹茶原料「てん茶」の販売を平成28年度から開始。県外茶商を通じて海外へ輸出も行っている。
 地域の茶農家に有機栽培「てん茶」の有望性や茶園の団地化を呼びかけた結果、農地中間管理事業を活用して40haの集積を実現。地域の茶農家の所得向上と経営発展にも寄与。
 規模拡大と「てん茶」生産導入に伴い、山間という条件不利地域に新たな雇用が創出され、若手中心に常時雇用者が倍増。技術研修の体系化など若手の人材育成にも取り組んでいる。

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農林水産大臣賞受賞者の事例紹介をはじめ、全受賞者の取組みを紹介した事例集を下記よりダウンロードできます。経営改善をはじめ、営農指導等へご活用ください。

1.平成28年度全国優良経営体表彰 事例紹介(簡易板)
2.平成28円度全国優良経営体表彰 事例集 表紙 part1 part2

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